Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
Leggi 松のや露八 (まつのやろはち) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.597 caratteri · 253 schermate
「いいか」
念を押すと、
「ひえい」
笛みたいに嗄れた返辞が露八の喉の奥でした。
「露八、どうしても、手引はできぬのだな」
もういちど云うと、彼は、もう横に振る力もない首をかすかに動かした。
「やむを得ん」
「…………」
「もっと、首をぐっと伸ばすのだ。それじゃあ、頭の後ろ骨に入るから痛いぞ」
云いながら抜いた。
露八は、途端に、
「おやっ?」
「…………」
「オヤオヤ」
手先で、指踊りをやりながら、起ち出したのである。
榊原は、ゾッとした。
露八の眸は真ン中へ寄ってしまった。脳中枢の破壊で顔の皮は引ッつれている。金槌でたたいても開きそうもなく歯は歯を咬んでいるのだった。
(オヤ?)
と云いたいのはむしろ榊原の方である。思わず刀を退いて無気味さに後ろへ避けた。避けると、露八は、狐でも憑いたように足を縮めて突然跳び上がった。
「ピッ!」
横笛を吹く形である。片足でくるりと廻った。
「テン、テレツク、テン、テレツク」
酢を舐めたようなひょっとこ顔が馬鹿踊りに熱している。足拍子も口囃子と一緒に、だんだん荒くなって来て、
「チャンチキ、ドン。――チャンチキ、ドン」
倒れた雪洞が燃えかけている。