Classici giapponesi con furigana
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しょくぶついちにちいちだい
植物一日一題
牧野 富太郎
Leggi 植物一日一題 (しょくぶついちにちいちだい) di 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.011 caratteri · 312 schermate
しかし以前からこの樹をゴンズイと呼んでいる訳は別にどの書物にも書いてないようだが、それは私の考えるところではそうでないかと思われる。すなわちそれは前にこのゴンズイを樗にあててあって、その樗はいわゆる「樗櫟之材」で、この材は一向役に立たぬ樹であると評せられている。それでこれを樗であると思いこんだこの植物を役立たぬ樹すなわちゴンズイだと昔の人が名づけたのではなかったろうかと私は想像する。
それでは役立たぬこの樹がどういう意味合いでゴンズイであると唱えられるのかというと、元来このゴンズイとは食料として余り役立たない魚であるので、その役立たぬ魚の名すなわちゴンズイを、役立たぬと思惟せられたこの樹に対して利用したのではないかと考える。そのゴンズイというのはどんな魚かと詮議してみると、それはゴンズイ科に属する小さい海魚で、細長い体は長さ数寸、口に八本の長い髭を具え、体の色は青黒くその両面に各二条の黄色縦線が頭から尾まで通っており、背鰭と胸鰭とに尖き刺があって、もしさされるとひどく疼むから人に嫌われるが、それでも浜の漁民は時に強いて食することがある。こんなに小さくてかつ無用な魚であるから昔から江戸の魚市場へは出さないので、この魚を一つに江戸見ずゴンズイと呼んだもんだ。