Classici giapponesi con furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Leggi 植物記 (しょくぶつき) di 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 165.848 caratteri · 327 schermate
そしてこんな寒いに今からそんな花の咲く筈は無いと一口に片付けて仕舞うであろうが、それはただ寒い寒いと言って家の中に閉じ籠っている人の言うことで中々自然はそんなもんではない。吾々が寒さを感じてカジカンデいる時でも植物には一向それが平気なものである。
昔後水尾帝の御代に始めて朝鮮から渡り来ったといわれる彼の蝋梅でしたところが逸早く咲く花を着け一月には已に発らき初める。中にはまだ十二月というのに早くも咲く様な株もある。古より梅は百花の魁だといわるれどこの蝋梅は梅よりもモット早く咲く。梅の字が附いているから梅の類だと思ったら大間違いで、名こそ蝋梅だが梅とは大分懸け離れた縁遠い花木である。
が、これは元来他国者であればそれはどうでもよいとして、我日本の者で蝋梅に負けず早く咲くという者にツバキもあればハンノキもある。
梅が早く咲くというので思い出したが一月に伊豆の熱海へ行くとこの時分に赤色をした桜が咲いている。前にはこの熱海にこんな桜は無かったが、多分今から凡そ三十年位かあるいはその前後に、誰れが持って来たか知らんがこの暖地の桜を熱海へ入れた。この地は暖かいのでそれが家の外でもよく育ち、遂に今では数本の木が同地で見られる様になった。