Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Leggi 牛をつないだ椿の木 (かわ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 75.647 caratteri · 155 schermate

Aozora Bunko

「うん、だアれもきいてやしないだろうな」

「どうして、おじさん、そんなにきょろきょろしてるの?」

「だって、だれかきいていたら、おかしく思うだろう。おとながこんな子どものおもちゃを鳴らしていては」

「そうね」

そこで、また男の人のポケットがうたいはじめた。

ふたりはしばらくその音をききながら、だまって歩いた。

「おじさん、こんなものを、いつも持って歩いてるの」

「うん、おかしいかい」

「おかしいなァ」

「どうして」

「ぼくがよく遊びにいく、薬屋のおじさんのうちにも、うた時計があるけどね、だいじにして、店のちんれつだなの中に入れてあるよ」

「なんだ、坊、あの薬屋へ、よく遊びにいくのか」

「うん、よくいくよ、ぼくのうちの親類だもん。おじさんも知ってるの?」

「うん……ちょっと、おじさんも知っている」

「あの薬屋のおじさんはね、そのうた時計をとてもだいじにしていてね、ぼくたち子どもに、なかなかさわらせてくれないよ……あれッ、またとまっちゃった。もう一ぺん鳴らしてもいい?」

「きりがないじゃないか」

「もう一ぺんきり。ね、おじさんいいだろ、ね、ね。あ、鳴りだしちゃった」

「こいつ、じぶんで鳴らしといて、あんなこといってやがる。