Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Leggi 牛をつないだ椿の木 (かわ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 75.647 caratteri · 155 schermate

Aozora Bunko

和太郎さんは、よぼよぼ牛に車をひかせて、町へいくとちゅうでした。

和太郎さんは、いつもきげんがいいのですが、きょうはまたいちだんとはれやかな顔をしていました。酒だるをつんでいたからであります。

酒だるを、となり村の酒屋から、町の酢屋まで、とどけるようにたのまれたのです。その中には、お酒のおりがつまっていました。おりというのは、お酒をつくるとき、たるのそこにたまる、乳色のにごったものであります。

酒だるはゆれるたびに、どぼォン、どぼォン、と重たい音をたてました。そしてしずかな百姓の村の日ぐれに、お酒のにおいをふりまいていきました。

和太郎さんは、はれやかな顔をしながら、いつもこういう荷物をたのまれたいものだ、音を聞いているだけでしゃばの苦しみを忘れる、などと考えていました。するととつぜん、ぼんと音がしました。

見ると、ひとつのたるのかがみ板が、とんでしまい、ちょうど車が坂にかかって、かたむいていたので、白いおりが滝のように流れ出していました。

「こりゃ、こりゃ」

と和太郎さんはいいましたが、もうどうしようもありませんでした。おりは地面にこぼれ、くぼんだところにたまって、いっそうぷんぷんとよいにおいをさせました。