Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Leggi 牛をつないだ椿の木 (かわ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 75.647 caratteri · 155 schermate

Aozora Bunko

少佐は、声を出して歩哨(ほしょう)をよぼうとしましたが、まてまて、深い井戸の中のことだから、歩哨のいるところまで、声がとおるかどうかわからない、それに、もし、ロシアの斥候(せっこう)にききつけられたら、むざむざところされるにきまっている、と思いかえし、そのまま、だまってこしをおろしました。

あすの朝になったら、だれかがさがしあてて、ひきあげてくれるだろうと考えながら、まるい井戸の口でしきられた星空を見つめていました。そのうちに、井戸の中があんがいあたたかなので、うとうととねむりだしました。

ふとめざめたときは、もう夜があけていました。少佐はううんとあくびをしながら、赤くかがやいた空を見あげたのち、

「ちょっ、どうしたらいいかな」

と、心の中でつぶやきました。

まもなく、朝やけで赤かった空は、コバルト色になり、やがて、こい水色にかわっていきました。少佐は、だれかさがし出してくれないものかと、待ちあぐんでいましたが、だれもここに井戸があることさえ、気がつかないらしいけはいです。上を見ると、長いのや、みじかいのや、いろいろの形をしたきれぎれの雲が、あとから、あとからと、白く通っていくきりです。