Classici giapponesi con furigana
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かわ
牛をつないだ椿の木
Leggi 牛をつないだ椿の木 (かわ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 75.647 caratteri · 155 schermate
ゆめのように、ぼんやりそんなことを思いつづけているとき、すぐ鼻のさきで「クロ」とよぶ、ききなれた声がひびきました。クロはものうい目をあげて、声のするほうをのぞきました。
ウウウウ、ウウウ、
ウウウウウ、
ウウウウ、ウウウ、
ウウウウウ、
と、正坊は「ゆうかんなる水兵」の曲をうなりだしました。クロはきゅうにからだじゅうに、血がめぐりだしてきたように、いさましく立ちあがって、サーカスでしていたときのように、歩調をとっておりの中を歩きまわりました。それから、かなぼうの間から口を出して、なつかしそうに、正坊のほうをあおぎ見ました。ダンダラの服はきていませんでしたが、正坊にちがいないことがわかると、クロはウォーンウォーンと、のどをしぼるような、うれしなきのさけびをあげました。
正坊はにこにこしながら、ふくろからビスケットをつかみ出して、クロの口の中へいれてやり、なんどもなんども鼻のうえをなでてやりました。
正坊のうしろでは、お千代が、なみだぐんだ目をして見ていました。ふたりは、はじめての定休日に、クロを見にきたのでした。