Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Leggi 牛をつないだ椿の木 (かわ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 75.647 caratteri · 155 schermate

Aozora Bunko

じっさい、日もだいぶん西にかたむいていたのだが、それでも、もうひきかえそうというものは、だれもなかった。まるで命令をうけているもののように、先へ進んでいった。

そして大野の町をすぎ、めざす新舞子の海岸についたのは、まさに、太陽が西の海にぼっしようとしている日ぐれであった。

五人はくたびれて、みにくくなって、海岸に足をなげ出した。そして、ぼんやり海の方を見ていた。

くじらはいなかった。また、太郎左衛門のうそだった!

しかしみんなは、もう、うそであろうがうそでなかろうが、そんなことは問題ではなかった。たとい、くじらがそこにいたとしても、みんなはもう、見ようとしなかったろう。

つかれのために、にぶってしまったみんなの頭のなかに、ただひとつ、こういう思いがあった。

「とんだことになってしまった。これから、どうして帰るのか」

くたくたになって、一歩も動けなくなって、はじめて、こう気づくのは、分別がたりないやりかたである。じぶんたちが、まだ分別のたりない子どもであることを、みんなはしみじみ感じた。

とつぜん、「わッ」と、だれかなきだした。森医院の徳一君である。