Classici giapponesi con furigana
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かわ
牛をつないだ椿の木
Leggi 牛をつないだ椿の木 (かわ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 75.647 caratteri · 155 schermate
のを見た。
久助君は、ふたりで心配をわかちあい、ひとりで苦しんでいることからまぬがれようと思って、走っていった。けれど音次郎君は、きのうのことなどまるで気にもかけていないようすであった。じぶんはとりこし苦労をしていたのかと久助君は思って、ほっとした。なんでもなかったんだ。
音次郎君は久助君といっしょになっても、あいかわらず拍手をつづけながら、じぶんひとりのつまらない考えを追って歩いていた。まもなくうしろから、ゴツゴツとランドセルの音をさせて、だれか走ってきた。森医院の徳一君である。このあいだ新調したばかりのぼうしのひさしを光らせながら、「おはよう」と、元気よく近づいてきた。そして、こうきいた。
「きょう、算術の宿題なかったかね」
徳一君もやはり、きのうのことなんか気にしていないのである。事実、なんでもないのだろう。この世には、そうかんたんに、できごとはおこらないのだ。
三人は教室にはいった。ほかのものはもう、たいていきている。教室の中にも十人ほどいる。そのなかには兵太郎君がいないことを、久助君はひと目でたしかめた。
兵太郎君の席は、徳一君のすぐとなりにあった。