Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Leggi 狂い凧 (くるいだこ) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 111.430 caratteri · 226 schermate

Aozora Bunko

ウェイトは城介の子供のことより、幸太郎の方にかかっていた。

(兄貴のおれに、下駄を預けっ放しにして――)

やがて栄介はゆっくりと背を返した。しばらく歩いている中に、見覚えのある道に出た。かなたにさっきの赤提燈の明りが見える。栄介はためらいながら、油障子をそっと引きあけた。客はなく、さっきの酌婦がひとり、卓に顎杖をついてうつらうつらとしていた。物憂く眼を開いた。

「泊めて呉れるかね?」

栄介は顎を二階の方にしゃくりながら言った。

「ああ。いいよ」

女はのそのそと立ち上り、表戸をおろした。暗い階段を、彼は女について登った。女は破れた押入れから、ばたんばたんと布団を引きずりおろした。

栄介はまだ『女』を知らなかった。女の動作を横眼で観察しながら、ゆっくりと外套や上衣を脱いだ。女は彼の顔を見て笑った。

「どうしてそんなにこわばった顔をしてるのさあ」

「加納というのはね、やはり下関からいっしょに出発した、城介の戦友だったのだ」

栄介は私に説明した。

「戦争が終って五年ほどして、加納からハガキが来た。どこかでおれの名を見たんだろう。名前が城介に似ているが、兄弟か何かじゃないかという問い合わせだ」