Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
嘉門はしかし動じなかった。
確固たる決心が腹にある、どう説かれようが何んと云われようが、言葉などには動かされないと、心を定めているからであった。
ややあって嘉門は云った。
「その儀一切なりませぬ!」
「ナニならぬ! 何故でござるな?」
「男といたしてもなりませぬ!」
「男? ははあ、貴殿の男?」
「さようさようこの爺の男で!」
「…………」
「一旦かくまおうと引き受けた以上、差し出すことなりませぬ!」
「天下の謀叛人の囚人でもな」
「それは見方の相違でござる」
「徳川幕府に弓引く輩、これは万人の敵の筈じゃ!」
「なんの徳川幕府ばかりが、最高至高であるものか!」
「ナニそれでは貴殿においても、徳川幕府に嫌厭ござるので?」
「とにかく徳川幕府に対し、弓引く義党の面々と知って、保護を引き受けた拙者でござれば、その辺の消息はご貴殿においても、よろしくご推察くだされい」
「フーン、これは驚いた! ……貴殿が、佐原嘉門殿が、青塚の郷の郷長の貴殿が、幕府に嫌厭あろうとは?」
「その問題はこの辺で打ち切り、拙者再度ハッキリと申す、五十嵐右内殿や萩丸様、決して貴殿方にはお渡しいたさぬ!」
「いよいよそういうことになれば……」