Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
で民弥は梶子をうながし、犬帰村の方へ向かったのであった。
今二人は馬首を揃え、峠道を歩いて行く。と、左手の林の中から、馬の蹄らしい音が聞こえた。
(はてな?)
と二人ながら耳を澄ました。
二頭の馬の蹄の音らしい。
自分たち二人と並行して、犬帰村の方角へ、走らせて行くように思われた。
「おかしいねえ」
と梶子は云った。
「さよう、少しく変でござるな」
民弥もそう云って首をかしげた。
「炭でも積んだ馬を曳いて、百姓が帰るのでござりましょうよ……さあ、そんなものはうっちゃっておいて、急いで行くことにいたしましょう」
梶子は先を急ぐように云った。
「それがよろしゅうございますな」
民弥もそう云って馬を走らせた。
しばらく二人は無言で進んだ。
と、梶子が笑いながら、
「わたくし思うのでございますよ。あなた様が以前からあの人形に、執着をお持ちなさいましたのは、黄金島の秘密の地図が、あれにかくされてあるということを、実はご存知であったからだと」
こう云って民弥を覗くように見やった。
「いや、決して……」
と民弥は云った。
がしかし民弥はふと思いついた。
(この女がそんなように思っているのなら、そう思わせておいた方がいいらしい。