Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
さっきまで聞こえていた足音が――三十郎の足音が、今は聞こえなくなっていた。
(まあよかった)
と菊女は思った。
(さあこれからどうしよう?)
けっきょく三十郎に目付からないように、細心の注意をした上で、この洞窟から外へ出て、明暦義党の同志たちの所へ、行くというより策はなかった。
(この洞にはなお三筋ほどの、出入り口があるそうな。その一つから出たいものだ)
で彼女は先へ進んだ。
十字路!
丁字路!
三叉路!
道は枝から枝が出て、どっちへ行ったら、どこへ出られるか、また、奥の方へ進んでいるのか、同じ一画をドウドウ巡りしているのか、それとも出入り口へ進んでいるのか、すこしも見当がつかなかった。
四辺は暗黒でかつ寒かった。
だんだん菊女は心配になり、次第に恐怖を催して来た。
三十郎も同じであった。
菊女の後を夢中で追っかけ、どこをどう走って来たものか、全く見当がつかなくなっていた。
で闇の中に佇んで、心をしずめて考え込んだ。
菊女を手に入れて思いをとげよう。――などといったような考えは、今の彼にはなくなっていた。
(ともかくも洞窟から外へ出たい。それから改めて部下たちと一緒に、松明などを充分に用意し、探険隊としての準備をととのえ、財宝さがしに着手したい)