Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
それに萩丸がそんなありさまで、よしんば宥免状を書いたところで、書体が以前の書体とは、似ても似つかないものになっている。
だからよしんばその宥免状を、頼宣卿の手へ渡したところで、頼宣卿はその宥免状を、萩丸が書いたものと認めないかもしれない。
(困ったものだ)
と思うのであった。
(宥免状の必要はないかもしれない)
時には嘉門たちはそうも思った。
というのは既に頼宣卿には、愛孫の萩丸が明暦義党の、同志たちによって捕えられたことを、その家臣たちの報告によって、今日では知っている筈である。
だから萩丸の宥免状などを、わざわざ書かせて送らずとも、義党の方から使者を出し、
「紀州においてお捕えになった、我々の同志をご宥免くだされい。もしご宥免くだされずば、萩丸様を惨殺仕る」
と、こう云わせたら頼宣卿は驚き、捕えた同志を許すかもしれない。
――が、しかしこれは頼宣という人の性質を知らない説であって、彼の仁は決して威嚇や強迫に、屈伏するような人物ではない。だからそのように云いやったところで、彼の仁を怒らせるばかりであって、かえってそのため頼宣卿は、愛孫の命を犠牲にして、捕えた人々を殺すかも知れない。