Classici giapponesi con furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Leggi 福翁自伝 (ふくおうじでん) di 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.912 caratteri · 402 schermate
生れてから泥坊をしたことはないが、泥坊の心配も大抵こんなものであろうと推察しながら、とう/\写し終りて、図が二枚あるその図も写して仕舞て、サア出来上った。出来上ったが読合せに困る。是れが出来なくては大変だと云うと、妙な事もあるもので、中津に和蘭のスペルリングの読めるものが只た一人ある。それは藤野啓山と云う医者で、この人は甚だ私の処に縁がある、と云うのは私の父が大阪に居る時に、啓山が医者の書生で、私の家に寄宿して、母も常に世話をして遣たと云う縁故からして、固より信じられる人に違いないと見抜いて、私は藤野の処に行て、「大秘密をお前に語るが、実は斯う/\云うことで、奥平の原書を写して仕舞た。所が困るのはその読合せだが、お前はどうか原書を見て居て呉れぬか、私が写したのを読むから。実は昼遣りたいが、昼は出来られない。ヒョッと分っては大変だから、夜分私が来るから御苦労だが見て居て呉れよと頼んだら、藤野が宜しいと快く請合って呉れて、ソレカラ私は其処の家に三晩か四晩読合せに行て、ソックリ出来て仕舞た。モウ連城の璧を手に握ったようなもので、夫れから原書は大事にしてあるから如何にも気遣はない。