Classici giapponesi con furigana
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みちくさ
道草
Leggi 道草 (みちくさ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.812 caratteri · 293 schermate
違ったのは上部だけで腹の中は故の通りなんだ」
「それがどうして分るの。新らしい材料も何にもないのに」
「御前に分らないでも己にはちゃんと分ってるよ」
「随分独断的ね、貴夫も」
「批評が中ってさえいれば独断的で一向差支ないものだ」
「しかしもし中っていなければ迷惑する人が大分出て来るでしょう。あの御婆さんは私と関係のない人だから、どうでも構いませんけれども」
健三には細君の言葉が何を意味しているのか能く解った。しかし細君はそれ以上何もいわなかった。腹の中で自分の父母兄弟を弁護している彼女は、表向夫と遣り合って行ける所まで行く気はなかった。彼女は理智に富んだ性質ではなかった。
「面倒臭い」
少し込み入った議論の筋道を辿らなければならなくなると、彼女はきっとこういって当面の問題を投げた。そうして解決を付けるまで進まないために起る面倒臭さは何時までも辛抱した。しかしその辛抱は自分自身に取って決して快よいものではなかった。健三から見るとなおさら心持が悪かった。
「執拗だ」
「執拗だ」
二人は両方で同じ非難の言葉を御互の上に投げかけ合った。そうして御互に腹の中にある蟠まりを御互の素振から能く読んだ。