Classici giapponesi con furigana
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みちくさ
道草
Leggi 道草 (みちくさ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.812 caratteri · 293 schermate
その或物は寒天のようにぷりぷりしていた。そうして輪廓からいっても恰好の判然しない何かの塊に過ぎなかった。彼は気味の悪い感じを彼の全身に伝えるこの塊を軽く指頭で撫でて見た。塊りは動きもしなければ泣きもしなかった。ただ撫でるたんびにぷりぷりした寒天のようなものが剥げ落ちるように思えた。もし強く抑えたり持ったりすれば、全体がきっと崩れてしまうに違ないと彼は考えた。彼は恐ろしくなって急に手を引込めた。
「しかしこのままにして放って置いたら、風邪を引くだろう、寒さで凍えてしまうだろう」
死んでいるか生きているかさえ弁別のつかない彼にもこういう懸念が湧いた。彼は忽ち出産の用意が戸棚の中に入れてあるといった細君の言葉を思い出した。そうしてすぐ自分の後部にある唐紙を開けた。彼は其所から多量の綿を引き摺り出した。脱脂綿という名さえ知らなかった彼は、それをむやみに千切って、柔かい塊の上に載せた。
八十一
その内待に待った産婆が来たので、健三は漸く安心して自分の室へ引き取った。
夜は間もなく明けた。赤子の泣く声が家の中の寒い空気を顫わせた。
「御安産で御目出とう御座います」