Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
みちくさ
道草
Leggi 道草 (みちくさ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.812 caratteri · 293 schermate
私が田舎へ連れて行って育てるから」
健三の申出は細君の父によって黙って受け取られた。そうして黙って捨てられた。彼は眼前に横暴を恣まにする我子を見て、何という未来の心配も抱いていないように見えた。彼ばかりか、細君の母も平気であった。細君も一向気に掛ける様子がなかった。
「もし田舎へ遣って貴夫と衝突したり何かすると、折合が悪くなって、後が困るから、それでやめたんだそうです」
細君の弁解を聞いた時、健三は満更の嘘とも思わなかった。けれどもその他にまだ意味が残っているようにも考えた。
「馬鹿じゃありません。そんな御世話にならなくっても大丈夫です」
周囲の様子から健三は謝絶の本意がかえって此所にあるのではなかろうかと推察した。
なるほど細君の弟は馬鹿ではなかった。むしろ怜悧過ぎた。健三にもその点はよく解っていた。彼が自分と細君の未来のために、彼女の弟を教育しようとしたのは、全く見当の違った方面にあった。そうして遺憾ながらその方面は、今日に至るまでいまだに細君の父母にも細君にも了解されていなかった。
「役に立つばかりが能じゃない。その位の事が解らなくってどうするんだ」