Classici giapponesi con furigana
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みちくさ
道草
Leggi 道草 (みちくさ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.812 caratteri · 293 schermate
「そうですか」
この大事そうにしまい込まれてあった書付に、兄が長い間眼を通さなかった事を健三は知った。兄はまた自分の弟がそれほど熱心にそれを調べていない事に気が付いた。
「御由の送籍願が這入ってるんだよ」
御由というのは兄の妻の名であった。彼がその人と結婚する当時に必要であった区長宛の願書が其所から出て来ようとは、二人とも思いがけなかった。
兄は最初の妻を離別した。次の妻に死なれた。その二度目の妻が病気の時、彼は大して心配の様子もなく能く出歩いた。病症が悪阻だから大丈夫という安心もあるらしく見えたが、容体が険悪になって後も、彼は依然としてその態度を改める様子がなかったので、人はそれを気に入らない妻に対する仕打とも解釈した。健三もあるいはそうだろうと思った。
三度目の妻を迎える時、彼は自分から望みの女を指名して父の許諾を求めた。しかし弟には一言の相談もしなかった。それがため我の強い健三の、兄に対する不平が、罪もない義姉の方にまで影響した。彼は教育も身分もない人を自分の姉と呼ぶのは厭だと主張して、気の弱い兄を苦しめた。
「なんて捌けない人だろう」
陰で批評の口に上るこうした言葉は、彼を反省させるよりもかえって頑固にした。