Classici giapponesi con furigana
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とおのものがたり
遠野物語
柳田 国男
Leggi 遠野物語 (とおのものがたり) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.063 caratteri · 79 schermate
二三
死者の娘にて乱心のため離縁せられたる婦人もまたその中にありき。喪の間は火の気を絶やすことを忌むがところの風なれば、祖母と母との二人のみは、大なる囲炉裡の両側に坐り、母人は旁に炭籠を置き、おりおり炭を継ぎてありしに、ふと裏口の方より足音してくる者あるを見れば、亡くなりし老女なり。平生腰かがみて衣物の裾の引きずるを、三角に取り上げて前に縫いつけてありしが、まざまざとその通りにて、縞目にも見覚えあり。あなやと思う間もなく、二人の女の坐れる炉の脇を通り行くとて、裾にて炭取にさわりしに、丸き炭取なればくるくるとまわりたり。母人は気丈の人なれば振り返りあとを見送りたれば、親縁の人々の打ち臥したる座敷の方へ近より行くと思うほどに、かの狂女のけたたましき声にて、おばあさんが来たと叫びたり。その余の人々はこの声に睡を覚しただ打ち驚くばかりなりしといえり。
○マーテルリンクの『侵入者』を想い起こさしむ。
二三 同じ人の二七日の逮夜に、知音の者集まりて、夜更くるまで念仏を唱え立ち帰らんとする時、門口の石に腰掛けてあちらを向ける老女あり。そのうしろ付正しく亡くなりし人の通りなりき。