Classici giapponesi con furigana
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とおのものがたり
遠野物語
柳田 国男
Leggi 遠野物語 (とおのものがたり) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.063 caratteri · 79 schermate
七七
長者の家の糠を捨てたるがなれるなりという。この山中には五つ葉のうつ木ありて、その下に黄金を埋めてありとて、今もそのうつぎの有処を求めあるく者稀々にあり。この長者は昔の金山師なりしならんか、このあたりには鉄を吹きたる滓あり。恩徳の金山もこれより山続きにて遠からず。
○諸国のヌカ塚スクモ塚には多くはこれと同じき長者伝説を伴なえり。また黄金埋蔵の伝説も諸国に限りなく多くあり。
七七 山口の田尻長三郎というは土淵村一番の物持なり。当主なる老人の話に、この人四十あまりのころ、おひで老人の息子亡くなりて葬式の夜、人々念仏を終りおのおの帰り行きし跡に、自分のみは話好きなれば少しあとになりて立ち出でしに、軒の雨落ちの石を枕にして仰臥したる男あり。よく見れば見も知らぬ人にて死してあるようなり。月のある夜なればその光にて見るに、膝を立て口を開きてあり。この人大胆者にて足にて揺かして見たれど少しも身じろぎせず。道を妨げて外にせん方もなければ、ついにこれを跨ぎて家に帰りたり。次の朝行きて見ればもちろんその跡方もなく、また誰も外にこれを見たりという人はなかりしかど、その枕にしてありし石の形と在りどころとは昨夜の見覚えの通りなり。