Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.696 caratteri · 310 schermate
畜生、殺しても飽足らないのはあの石見だ」
黒助はキリキリと歯を噛み締めて、いつぞや、妹が吊られた松が枝を、一と月遅れの月の光に見上げました。
「黒助兄哥、怨みのある石見様は隠居した上、御親類中から爪弾きされて、行方不明になってしまった。敵は討ったも同じことだろう。この後は采女様が乗出して、御政治向きもよくなる――、お前の故郷では盆と正月が一緒に来たような騒ぎだ。妹のお組の骨を持って、早く帰るがいい」
「平次、御墨付は」
と相沢半之丞。
「ヘエ、これがその御墨付でございます」
次の間の縁側から、ガラッ八の八五郎が、黒塗金蒔絵の立派な文箱、高々と結んだ紐まで以前のままのを捧げて、お能の足取りといった調子で来たのでした。
「あッ、それは」
「黒助兄哥、済まねえが馬糧の中を探さしたよ、――それから、相沢様、黒助には給金の残りもございましょう。五十両ばかり持たして、故郷へ帰してやっておくんなさいまし」
「…………」
何という横着さ、半之丞が呆れて黙っていると、若い采女は手文庫の中から二十五両包を二つ出してポンと投りました。
「お組の墓でも建ててやれ」
黒助は黙ってうなずきました。