Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.804 caratteri · 225 schermate
「中坂の御家人藤井重之進様で」
与之松は答えます。これは二十七八のいかにも気の抜けたような男です。
「用事は?」
「私には判りませんが、――ヘエ」
「よしよし、それじゃ主人に訊こう、容体はどうだ」
「少し疲れたようですが、大したことはございません」
そう言う与之松に案内させて、荒物屋の店の奥、かつて三百両の大金を盗られた六畳に通りました。
「お神さん、銭形の親分だよ」
八五郎が先廻りをして言うと、
「あ、銭形の親分さん、有難うございます。親分さんなら倅を助けて下さるでしょう。お願いでございます、親分」
手負のお嘉代が、無理に身体を起そうとするのを、平次はやっと押えながら、
「起きるんじゃない、――そのままがいい、そのままが。――ところで、とんだ災難だったな、お神さん。三百両というのは容易ならぬ金だ、それを盗られたうえ怪我までされちゃ」
「有難うございます。それもこれも私の油断からでございます。倅に疑いがかかるなんて、とんでもないことでございます」
継母のお嘉代はひたむきに倅の文次郎の寃を訴えるのです。
「ところで、三百両の大金は、不似合と言ってはおかしいが、用箪笥などへ手軽に入れておく金じゃない。