Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.804 caratteri · 225 schermate
お嘉代はそう言って、ガックリ首を垂れるのです。ぐっしょり枕をひたす涙、人知れず今までも、幾度か泣いていたのでしょう。
「それはどういうわけだ、お神さん」
「聴いて下さい、親分さん方、これには深い仔細がございます。――私の夫加島屋文五兵衛は、西国のさる大藩に仕え、三百石を頂戴した立派な武家でございました。若い頃同藩重役の子と争って傷つけ、永の御暇となって江戸に出ました。武芸学問人に後を取らぬ夫でございましたが、運悪く幾年待っても帰参叶わず、二君に仕える心もなく、貧苦の中に相果てました。残ったのは私には義理ある仲の倅文次郎と、私の腹を痛めた娘桃の二人。――夫は生前、加島家の没落を歎き、どのようにしても倅文次郎を武士に仕立て、家名を挙げることを心掛けておりましたが、倅は柔弱な生れで、武家奉公などは思いも寄りません」
「…………」
手負ながら、お嘉代の烈々たる気魄が、その打ち湿った言葉のうちにも、聴く者の肺腑を抉ります。
「倅を武家にする手段は、この上たった一つ、御家人の株を買うほかはございません。が五十俵三十俵の御家人の株でも、御存じの通り三百両は要ります。