Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.804 caratteri · 225 schermate
「それでは八五郎さん」
吾妻屋の入口から別れて帰ろうとするお品。
「お品さんも現場を見ておく方がいいぜ」
「でも、私が顔を出しちゃ悪いでしょう。そうでなくてさえ娘御用聞とか何とか、嫌な事を言われるんですもの――」
「近所付合いだ。見舞客のような顔をして行く術もあるぜ」
「そうね」
お品は強いても争わず、八五郎と一緒に吾妻屋の暖簾をくぐっておりました。
「お、八五郎親分」
迎えてくれたのは利助の子分で、ともかくも十手を預かっている新吉でした。
「たいそうな厄介な事があったんだってね。ちょっと覗かして貰うぜ、新吉兄哥」
八五郎はひどく好い調子です。
吾妻屋金右衛門はその時六十一、生涯を物欲に委ね切って、ずいぶん無理な金を溜めたためにさんざん諸人の怨みを買ったらしく、先年女房に死に別れ、放埒な倅を勘当して、娘のお喜多一人を頼りに暮すようになってからはめっきり気が弱くなり、ことに近頃は、一種の強迫観念に囚われて、「誰か自分を殺しに来る」「俺はきっと近い内に殺されるに違いない」と言いつづけている有様でした。
そんな事から日常生活が恐ろしく神経質になり、半歳ほど前からは、我慢がなり兼ねて、権現堂の力松という男を用心棒に雇い入れ、自分は母屋から廊下つづきの離屋の二階に住んで、娘と下女のお石と、番頭の周助と、用心棒の力松の外には、