Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.804 caratteri · 225 schermate
た。とうとう我慢が出来なくなったのは、この出代り時の三月三日でございました」
「…………」
「主人はあの晩私を呼んで、お蔵前へ届ける百両の金を預け、明日夜が明けたらすぐ持って行ってくれ、私は遅いかも知れないから、今からやっておくとおっしゃるのです。私は承知をしてその百両の金を受取りましたが、それを見ていたのは姪御のお道さんだけ――」
「…………」
「私はフト、気が変りました。どうせ暇も金も下さらないのなら、この金を持って故郷の古河へ帰り、十年振りで母の顔も見、質に入れた田地も請け戻そうとそのまま飛出してしまいました。が、千住の大橋へ行って気が付いたのです、腹立ち紛れに飛出したものの、私が主人に預けてある金は五十両、ここで百両の金を持逃げしては、私は、泥棒になります。そう思うと矢も楯もたまらず、引返して店の臆病窓から小僧の庄吉どんに半金の五十両を渡して、御主人に返すように頼み、それから夜通し歩いて下総の古河へ、翌日の夕方着きました――ところが驚いたことに――」
権八はたくましい拳骨で、涙を押し拭いながらつづけました。
「――驚いたことに、それより三日前、江戸の相模屋の使いの者が、五十両の金を持って来て、私が昔質に置いた田地を、みんな請け戻して帰ったというじゃありませんか。