Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Leggi 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.879 caratteri · 242 schermate

Aozora Bunko

なぜと云って、彼は全然女にもてておらず、女の浮気のダシに使われ、なめられ、ふみつけられ、そのあさましさを知りぬいて、見えすいた甘い言葉に相好くずして悦に入る、バカげたこと、悲しいばかり面白おかしくもないのだけれども、芸術に自信を失っては、芸術家はもう人生まっくらだ。面白おかしくもないこと、やりたくもないことに結構フラフラ打ちこむとはこれ即ちデカダンで、自信喪失というものの宿命的な成行きなのである。

数日失踪したまま女房が帰らない。気もテンドウせんばかり苦痛だけれども、マダムが冷然と、アラ奥さん浮気? お見それしたわね、先生もだらしがない方ね、あんな奥さんにミレンがあるのかしら、と毒の針をふくんだような言葉を浴せる、底意は侮蔑しきっているのが分っており目の色にも半分嘲笑がにじみでているのだけれども、先生も浮気なさらないの、などと冷やかされると、彼はもうヤケになって、

「奥さん、泊りに行こうよ。ね、いいだろう、行こうよ」

マダムは苦笑して

「先生、泊りに行くお金あるの?」

グサリと斬る。

庄吉は一刀両断、水もたまらず、首はとび甚だ意地の悪いもので地べたへ落ちてもぐりこんでしまえばいいのにフワリフワリと宙に浮いて壁につき当り唐紙にはじかれ柱の角で鼻をこすってシカメッ面を一ひねり五へん六ぺん旋回する。