Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Leggi 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.879 caratteri · 242 schermate
青い絨毯
僕らが「言葉」という飜訳雑誌、それから「青い馬」という同人雑誌をだすことになって、その編輯に用いた部屋は芥川龍之介の書斎であった。というのは、同人の葛巻義敏が芥川の甥で、彼はそのころ二十一、二の若年だったが、芥川死後の整理、全集出版など責任を負うて良くやっており、同人雑誌の出版に就ても僕らの知らないことに通じていて、彼が主としてやってくれたからである。当時は芥川の死後三年目であった。
芥川の家は僕の知る文士の家では最もましな住家だけれども、中流以上の家ではない。和風の小ざっぱりとした家で、とりわけ金をかけたと思われる部分もなく、特に凝った作りもない。僕の知るのは二階二間と離れの書斎二間と座敷二間、それから庭だけ、家族の居間は知らない。日当りの良い家だけれども、なぜか陰気で、死の家とはこんなものかと考え、青年客気のあのころですら、暗さを思うと、足のすすまぬ思いがしたものである。
僕の生れた新潟の家は昔坊主の学校で、だからお寺のような建築であった。おまけに二抱から三抱ぐらいの天然の松林の中にあって、ろくろく日の目を見ることも出来ず、鴉と梟の巣であった。