Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Leggi 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.879 caratteri · 242 schermate

Aozora Bunko

二

利巧な人は、それもお前のずるさのせいだと言うだろう。私は悪人です、と言うのは、私は善人ですと、言うことよりもずるい。私もそう思う。でも、何とでも言うがいいや。私は、私自身の考えることも一向に信用してはいないのだから。

二

私は然し、ちかごろ妙に安心するようになってきた。うっかりすると、私は悪魔にも神様にも蹴とばされず、裸にされず、毛をむしられず、無事安穏にすむのじゃないかと変に思いつく時があるようになった。

そういう安心を私に与えるのは、一人の女であった。この女はうぬぼれの強い女で頭が悪くて、貞操の観念がないのである。私はこの女の外のどこも好きではない。ただ肉体が好きなだけだ。

全然貞操の観念が欠けていた。苛々すると自転車に乗って飛びだして、帰りには膝小僧だの腕のあたりから血を流してくることがあった。ガサツな慌て者だから、衝突したり、ひっくり返ったりするのである。そのことは血を見れば分るけれども、然し血の流れぬようなイタズラを誰とどこでしてきたかは、私には分らない。分らぬけれども、想像はできるし、又、事実なのだ。

この女は昔は女郎であった。それから酒場のマダムとなって、やがて私と生活するようになったが、私自身も貞操の念は稀薄なので、始めから、一定の期間だけの遊びのつもりであった。