Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Leggi 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.879 caratteri · 242 schermate
私の失った籐のステッキは先がはずれて神田の店で修繕をたのんだとき、これだけの品は日本に何本もない物ですと主人が小僧女店員まで呼び集めて讃嘆して見せたほどの品物であった。一度これだけのステッキを持つと、まがい物の中等品は持てないのだ。
貴様、ちょっと来い。刑事はいきなり私の腕をつかんだ。
「バカヤロー。貴様がヨタモノでなくてどうする。そのステッキは人殺しの道具じゃないか」
「これはハイキングのステッキさ。刑事が、それくらいのことを知らないのかね」
「この助平」
女が憤然立上った。
「この方はね、私が泊れと言っても泊ったことのない人なんだ。アパートをきいても教えてくれないほどの人なんだ。見損うな」
そこで刑事は私のことはあきらめたのである。そこで今度は男の腕をつかんだ。男は前にも留置場へ入れられたことがあり、刑事とは顔ナジミであった。
「貴様、まだ、うろついているな。その腕時計はどこで盗んだ」
「貰ったんですよ」
「いいから、来い」
男は馴れているから、さからわなかった。落付いて立上って、並んで外へでた。そのとき女は椅子を踏み台にしてスタンドの卓をとび降りて跣足でとびだした。