Classici giapponesi con furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Leggi 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.879 caratteri · 242 schermate
ふところに金のあることを考えた。用たしも流せ。金も流せ。自分自身を流すのだ。私はこの女を連れて落ちるところまで堕ちてやろうと思った。私は落付いて飲みはじめた。女は飲まなかった。私は朝食前であったから、酔が全身にまわったが、泥酔はしていなかった。
「泊りに行こうよ」
と私は言った。女は尻込みして、ニヤニヤ笑いながら、かぶりを振った。
「行こうよ。すぐに」
私は当然のことを主張しているように断定的であったが、女の笑い顔は次第に太々しく落付いてきた。
「どうかしてるわね。今日は」
「俺は君が好きなんだ」
女の顔にはあらわに苦笑が浮んだ。女は返事をしなかったが、苦笑の中には言葉以上の言葉があった。私は女の顔が世にも汚い、その汚さは不潔という意味が同時にこもった、そしてからだが団子のかたまりを合せたような、それはちょうど足の短い畸型の侏儒と人間との合の子のように感じられる、どう考えても美しくない全部のものを冷静に意識の上に並べなおした。そして、その女に苦笑され、蔑まれ、あわれまれている私自身の姿に就て考えた。うぬぼれの強い私の心に、然し、怒りも、反抗もなかった。悔いもなかった。