Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Leggi 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.879 caratteri · 242 schermate

Aozora Bunko

私の身辺にリリスムはまったくなかった。私の浪費精神を夢想家の甘さだと思うのは当らない。貧乏を深刻がったり、しかめっ面をして厳しい生き方だなどという方が甘ったれているのだと私は思う。貧乏を単に貧乏とみるなら、それに対処する方法はあるので、働いて金をもうければよい。単に食って生きるためなら必ず方法はあるもので、第一、飯が食えないなどというのは元来がだらしのないことで、深刻でもなければ厳粛でもなく、馬鹿馬鹿しいことである。貧乏自体のだらしなさや馬鹿さ加減が分らなければ文学などはやらぬことだ。

私は食うために働くという考えがないのだから、貧乏は仕方がないので、てんから諦めて自分の馬鹿らしさを眺めていた。遊ぶためなら働く。贅沢のため浪費のためなら働く。けれども私が働いてみたところでとても意にみちる贅沢豪奢はできないから、結局私は働かないだけの話で、私の生活原理は単純明快であった。

私は最大の豪奢快楽を欲し見つめて生きており多少の豪奢快楽でごまかすこと妥協することを好まないので、そして、そうすることによって私の思想と文学の果実を最後の成熟のはてにもぎとろうと思っているので、私は貧乏はさのみ苦にしていない。