Classici giapponesi con furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Leggi 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.271 caratteri · 263 schermate
「お葉さん。お前、何うしても俺の嫁になるのは忌か。え、お葉さん。後生だから承知して呉れないか。俺ア斯んな山の中に棲んでるけれども、善い宝物を沢山有っているんだ。」
お葉は唯冷笑うのみで、見向きも為なかった。
「お葉さん、真実だよ、決して嘘じゃアない。俺ア昨日……いや、一昨日……阿母さんから大事の宝物の在所を教わったんだ。それを持出して他に売れば、一足飛びに大変な金持になれるんだ。俺も能く知らないが、其の宝物というのは実に立派なものだ。真闇な処でもぴかぴか光って……。何だか斯う……。」
山育ちの彼は、之を形容すべき適当の詞を知らなかった。重太郎は徒爾に眼を瞠り、手を拡げて、其の尊き宝であるべきことを頻に説明為ようと試みた。
「そんな立派な宝物がありゃア其れで可いじゃアないか。お前さんが金持になりゃア、何んな良いお嫁さんでも貰えるんだから、妾なんぞに構ってお呉れでないよ。」
お葉は相変らず鼻で扱っているので、重太郎は愈よ急いた。
「だから、お前に頼むんだ。俺が金持になるから、お前を嫁に貰いたいんだ。何日だったか忘れたが、雨のふる日の夕方に、俺が町へ食物を猟りに出て、柳屋の門口に立って彷徨していると、酒に酔った奴等が四五人出て来て、此の乞食め、彼地へ行けと俺を突き飛ばした。