Classici giapponesi con furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Leggi 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.271 caratteri · 263 schermate
彼は何等の武器を有って居なかった。而も先夜の経験に因て、彼等に対する唯一の武器は燐寸の火であることを知っているので、市郎は慌てて燐寸の箱を検めると、剰す所は僅に五六本に過ぎぬ。彼は先刻から燐寸を濫用したのを悔いた。
で、更に念の為に蝋燭を揚げて、高い岩の上を其処ここと照して視ると、遠い岩蔭に何か知らず、星のように閃く金色の光を視た。蝋燭の淡い光で熟くは判らぬが、兎にかく其処に一種の光る物があるらしい。こんな処だから何が棲んでいるか判らぬ。或は怪獣の眼かと市郎は屹と瞰上げる途端に、頭の上から小さな石が一つ飛んで来たが、幸いに身には中らなかった。市郎は俄に蝋燭を吹き消した。敵の的にならぬ用心である。
「これも※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)の仕業だろう。」
斯う思うと中々油断はならぬ。市郎は小さくなって岩の蔭に身を寄せた。つづいて第二の石が落ちて来た。今度のは余ほど大きいと見えて、投げると云うよりも、寧ろ転がし落したらしい。これに頭を打たれたら人間の最期である。
市郎も流石に肝を冷して、愈よ小さくなっていると、又もや石をがらがらと投げ落す奴がある。