일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あるはいまつのどくはく

ある偃松の独白

中村 清太郎

中村 清太郎의 ある偃松の独白(あるはいまつのどくはく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 132,905자 · 262화면

아오조라 문고

恐らく文献はもとより、土地の人以外には見聞者もありやなしや。

今年(十六年)の五月下旬に、私は宿願のひとつ、御岳の春色を描かんため木曾に入り、しばらく黒沢口三合半、日ノ出滝の宿(当時ここが人の住む最高所)に籠って、裾山を緑に染め、七八合以上残雪に輝く、長城のような御山を仰ぎつつ、画作に従事していた。ところである日、雨に出足を止められた私が、炉ばたで宿の人たちと話していると、下の山村の屋敷野から仕事にきていた中老の石工さん(これは例の、この山に多い霊神碑をきざむので)が、出来かけの私の絵を見て、――ホウ種蒔き爺さんがよう出とる……と言い出した。

私はびっくりした、そんな事は少しも知らず、ただ忠実に描いただけなのに、と意外の感がしたけれど、同時にそれほど土地の人々の関心をひく爺さんに、うれしい感動を覚えた。私は天気がよくなるや、早速彼に教えを乞うた。彼は晴れたお山を指して、くわしく説明してくれたので、私は初めて納得がゆき、思いがけない収穫に驚喜したわけである。

それによると、頂上劔ガ峯の直下、白雪の間に暗色を点ずる山皺の、やや南よりの一つが、爺さんの形をなすものであった。