일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あるはいまつのどくはく

ある偃松の独白

中村 清太郎

中村 清太郎의 ある偃松の独白(あるはいまつのどくはく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 132,905자 · 262화면

아오조라 문고

八 名残りの雪

は天気の変る前触れだと言ったのが当ったか。夜半から雪になったらしい。

八 名残りの雪

早朝の四辺は、サラサラの粉雪が二寸くらい積っていた。いよいよ帰ることに定めて、急いでしたくする。数日の参籠を果さしてくれた小屋に別れを告げる頃は、雪は四、五寸になり、大粒に変った雪片を受けて白檜の若木が、重そうに枝を垂れているのも心をひく。漠々たる雪空の、赤石と思われるあたりをはじめ、四方の山々にも頭をさげて、はかない筆の跡を留めた画布を背に、気もそぞろに峠を上り下ったが、いつも山を去る時の、感謝と共に深い恨を残すこの心持ちほど、耐え難いものはない。

しかし食料のつきたのも、まして天気の変ったのを、恨むべきようはない。恨むべきは、おのれに、山の聖像を描き奉る力の足りないのをこそだ。そしていつもながら、この数日、貴いものを惜しげもなく示現してくれた、見えざる天地の霊に鳴謝し、報恩を期する熱い涙は、吹きつける雪をとかすかと……。

峠は下りの半ばから雨であった。落葉は数日の間にさらに厚味を加え、雨畑川の源頭御厩谷あたりから七面山へかけて、雲が幾重にも山を浮べ、時に岩崩れの響きに耳をそばだてながらも、空山に款冬の緑が点々たるところ、ふと早春のような錯覚さえおぼえるほど、なごやかな景色であった。