후리가나로 읽는 일본 고전
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
吉川 英治의 剣難女難(けんなんじょなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 243,807자 · 482화면
五
ただ後日の証に一札お貰い申しておけば、一つは励み、一つはわしも後ろ楯の的が立つというものでごぜえます」
「認めてやるは易いが、折あしく、矢立懐紙の用意もないが……む、金打してとらせる」
八幡、熊野の誓文より、重しとする、武士の金打。これ以上の誓はない。
五
それから二日おいた三日目には、京都七条口から発して、丹波街道の沓掛宿から、老坂峠の切所を一散に急いで行く、由良の伝吉の姿を見出すことができる。
なぜ、にわかに伝吉が、この街道を丹波に向かって急いで来たかというに、顔馴染の飛脚屋が、原山峠から園部へ出る間で、たしかに、春日新九郎に会ったということを耳にしたからであった。
針葉樹の茂みから、涼やかに洩れる夏の陽も、七刻近くに仰がれる峠の一筋道、由良の伝吉は、ふと行く手にあたって、二人の旅人が肩をならべて行くのに目をとめた。
「はてな、見たような奴だが……」
と足早に追い着いたところで、振り顧ると右の一人が、慌てて、饅頭笠のツバを持って顔を隠した。
おかしな挙動を――と、伝吉は行き過ぎた足を戻して、不意に、
「もし、煙草の火を一ツお貸し下さいませんか」
素知らぬ振りを努めている男の前から、笠の下を覗き加減にして煙管を出した。