후리가나로 읽는 일본 고전
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
吉川 英治의 剣難女難(けんなんじょなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 243,807자 · 482화면
紫紐・大願の元服
一
玄蕃に従え」
「いやじゃッ」
「身共と一緒に、こう来るがよい」
「無礼しやるなッ」
――と千浪はとられた腕を振りもぎって、右手に隠していた懐剣の柄もとおれと胸元目がけて突いて行った。
「猪口才な」
と、玄蕃は体を開いて、閃光を目当てに、グッと腕頸を掴んだ。千浪は必死に、
「新九郎様ッ、悪人の刃におかかり遊ばすな!」
「ええこの邪魔者ッ、うぬから先だ」
と玄蕃は、鬼丸包光の大刀を抜き打ちに、新九郎めがけて、颯と斬りつけた。
「あッ――」
と新九郎は目をつぶって、右手の脇差を夢中で横にふった時、ガッキと散った火花が眸を焦いた。
「騒ぐな!」
――玄蕃の目からは嬰児にひとしい新九郎が、立ちよろけた胸先へ、二度目の太刀が風を切った時、アッとさけんだ彼の手を、ふわりと千浪の手が握った。それも夢心地で、飛鳥の如く、二人は、闇を衝いて駈けだしたのだった。
「おのれッ!」
と玄蕃は、木の根に躓いた間に、七、八間も離れた二人の影を怒気凄じく追いかけた……たたたたたと闇の底を打って行く跫音の先に、轟――と岩に湍く水音が聞こえた。
そこは、音無瀬川の断崖であった。
紫紐・大願の元服
一
静かに、無数の渦を描いて、音無瀬の水が憩らかによる鷺ヶ淵は、まだ峯間から朝の陽も覗かないので、ほのかな暁闇の漂う中に、水藻の花の息づかいが、白い水蒸気となってすべて