후리가나로 읽는 일본 고전
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
吉川 英治의 剣難女難(けんなんじょなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 243,807자 · 482화면
唯見る、二本の木剣がつんざく稲妻をほとばしらせて七、八合の搏音がしたなと思った時は、もう自斎の屹然と立っているのに反して重蔵は仰向けに倒れていた……それ程に迅かった。
「ア――」
と刹那の大衆は、何の声もなかった――とまず京極方の桟敷がドッと勝鯨波を爆破させ宮津城下の町人も喊声を上げてそれに和した。
それに較べて、余りに傷ましかったのは、福知山方の極度の失望で、藩主松平忠房はじめ、並居る諸士、城下の群集もひっそりとして、冷々氷の山か、死人の群集としか見えない、悲壮な雰囲気につつまれてしまった。中で一人、正木作左衛門は狂気に近い声で、茫然とした人々を叱咤した。
「誰か駈けつけぬか! 重蔵殿が怪我なされたではないかッ」
それに醒めて、四、五人の侍臣が桟敷から飛び降りると、剣士溜りの幕からも、五、六人の若侍がバラバラと試合場の中央に駈けた。
やがて、典医の介抱を受けた春日重蔵は、藩主の声に招かれて家士に抱えられたまま桟敷の下へ運ばれて来た。忠房は褥を出て、悲痛な目を落しながら宥った。
「重蔵――よく致してくれた」
「お離し下されい……ご、ご前でござる」
と重蔵は現な声で繃帯された足をもがいた。