후리가나로 읽는 일본 고전
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
亀井 勝一郎의 大和古寺風物誌(やまとこじふうぶつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,647자 · 215화면
透明な秋空の下に、寸分の隙もなく充実していて、黄金の脂肪のような濃厚な光りを放っていた。稲穂が畔道に深々と垂れさがって、それが私の足もとにふれる爽かな音をききながら幾たびもこの辺りを徘徊した。豊作というものがこんなに見事なものとは知らなかったのである。心からの悦びが湧きあがってくる。舒明天皇が香具山に登り国見された折の御製の末尾に、「うまし国ぞ あきつ島 大和の国は」という御満悦の言葉が拝されるが、その言葉がふと思い出され、何となく心浮き立ちながらこの道を歩いたのであった。
夢殿や中宮寺へまいる折は、私はいつもここまで来て春秋の景色を眺める。平原の豊かさもいいが、しかし法隆寺の北裏から東方へきれぎれに連なる丘陵の側も、また別の趣があって捨て難い。丘陵の間には白壁の映ゆる古風な人家が散在し、それをめぐって小さな森が点々としている。法輪寺と法起寺の三重の塔がその森のあいだに望見される。大和国原を右手に眺めつつ、この丘陵の間をつたわって次第に平城京址へ近づいて行く途中の風光は実に和やかで美しい。法隆寺から夢殿へ、それから中宮寺を巡って法輪寺へ、法起寺を過ぎて慈光院に至り、石州の茶室でお茶を御馳走になってから小泉の駅へ出る道は、西の京から薬師寺と唐招提寺へ行く道とともに、私の最も好ましく思ったところである。