후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,314자 · 398화면
兵馬はうつらうつらと歩みつつ、
「見受けるところ、浪人のようにもあるし……」
こう考えてきて、何やら穏やかならぬ雲行きが兵馬の胸の中に起り出し、
「待て――机竜之助が得意の手に音無しの構えというのがあると――あの吉田なにがしの手は――あれは音無しの構えではあるまいかしら。音無し、むむ、そう思えばいよいよ思い当る。あの年頃は三十三四、竜之助、竜之助……あれが兄のかたき机竜之助ではあるまいか」
兵馬の心を貫く暗示。なんらの証拠があるわけではないが、こう思い来ると、今すれ違ったのがどうも竜之助らしい。兵馬は踵を廻して黒門の方へ取って返そうとすると、
「わーッ」
また横合いから飛び出して兵馬の前に倒れたのは、かの道庵先生です。
「やあ失礼失礼」
そのあとをつづいた子供らが、
「おじさん、面をおくれよう」
いい年をした男が、ひょっとこの面をかぶって来たから兵馬も笑い出して、それを避ける途端に道庵はころころと往来へ転がってしまいました。
「やあ、先生が倒れやがった、起せ起せ」
子供らは寄ってたかって道庵を起し、
「お家へ担いで行こう、わっしょ、わっしょ」
この騒ぎで宇津木兵馬は机竜之助の姿を見失って、その日はそれで帰りました。