후리가나로 읽는 일본 고전
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
福田 英子의 妾の半生涯(わらわのはんせいがい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 64,051자 · 122화면
八 一場の悲劇
妾は重ねて、それを小供に与えよと言いけるに、始めて安堵したるらしく、幾度か押し戴くさまの見るに堪えず、障子をしめて中に入り、暫くして外出せんとしたるに、宿の主婦は訝りつつ、「あんたはんじゃおまへんか先刻女の乞食にお金をやりはったのは」という。さなりと妾は首肯きたるに、「いんまさき小供を負ぶって、涙を流しながら、ここの女のお客はんが裏の二階からおぜぜを投げてくだはったさかい、ちょっとお礼に出ました、お名前を聞かしてくれといいましたが、乞食にお名まえを聞かす事かいと思いましたさかいに、ただ伝えてやろと申してかえしました、まあとんだ御散財でおました」という。慈善は人のためならず、妾は近頃になく心の清々しさを感ぜしものから、譬えば眼を過ぐる雲煙の、再び思いも浮べざりしに、図らずも他日この女乞食と、思い儲けぬ処に邂逅いて、小説らしき一場の物語とは成りたるよ。ついでなれば記し付くべし。
八 一場の悲劇
その年の十二月大事発覚して、長崎の旅舎に捕われ、転じて大阪(中の島)の監獄に幽せらるるや、国事犯者として、普通の罪人よりも優待せられ、未決中は、伝告者即ち女監の頭領となりて、初犯者および未成年者を収容する監倉を司ることとなりぬ。