일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면

아오조라 문고

ところが、初めて私がその座敷へ通った時、婆さんは私を案内しながら、埃のつもった雨戸を開けたり蜘蛛の巣を払ったりしてくれました、その時私はつくづくと婆さんを眺めて、少しおかしいなと思いました、その顔というのが何か草鞋の裏といった形相で、無数の皺の中には白粉がかたまっているようでした、それから頭の構造が頗るややこしいのです。先ず額に一本の針金が渡されていて、情けない毛髪がそれから生じているのです、その絶頂には小さな丸髷が一つ乗っているのでした、その髪の下は完全な禿頭で、その禿頭にはくろんぼがベタベタと瘡蓋の如く一面に塗られていて、到底じっとは見ていられない穢さでありました。

あれが妖怪狐狸の類ならば、こんな下手な化け方はしないでしょうが、そこが人間の情けなさから頗る深酷に手古摺っているのでありました。私は婆さんが側へ来ると何か異様の毒気を感じるのでした。

しかしその座敷が閑静でいいのと、紹介してくれた人への義理もある処から、まあ不気味な婆さん位いは、我まんする事にしました。

ところがまたこの家には電燈が一つもないのです、婆さんは古ぼけたランプを一つよそから借りて来てくれました、すると一体婆さん自身はどうしているのかと思って見ますと、庭を隔てた母屋の彼女の部屋には何んと、唯一つのカンテラが点っているだけでし