후리가나로 읽는 일본 고전
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면
すると、早速にも入道雲の峰が崩れかかり、空の模様に異状を呈する。それはショーウィンドのガラス面へボンアミを平手で塗りつけた如く、かき乱されたる白雲が青空に塗りつけられる。
するとやがてラジオは小笠原島の南東に颱風が発生した事を報じる。重い湿度はわれわれの全身を包んで終日消散しない。驟雨が時々やってくる。そしてどこからとも知れず、通り魔の如く冷たい風が訪れる。そして重たい汗を冷却して膏薬にまで転化させる。
もう九月が近づくと天上の変化のみならず、地上のあらゆる場所から何物かが引去られて行く気配が見える。例えば道頓堀に浮ぶ灯とボートの群が、真夏ではただ何か湧き立って見えるけれども、九月に入ると湧き立ち燃え上るような焔が日一日と消え去って行く。
軒並みの浴衣の家族が並ぶ夕涼みがそろそろ引込んでしまう。
以前、私の家では、かかる季節には必ず床の間の軸物が取かえられた。初秋に出る掛物は常に近松の自画自讃ときまっていた。それは鼠色の紙面へ淡墨を以て団扇を持てる女の夕涼みの略図に俳句が添えてあった。「秋暑し秋また涼し秋の風……か、なるほどよういうたあるなあ」といって父は幾度か感心して読み返した。