후리가나로 읽는 일본 고전
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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,032자 · 216화면
非常時袋をかついでくる者、二、三人の子供をつれている者、トランク一つの者等、次第にふえて庭前は急にざわつきだしたが、当然くるべき筈になっている会社の同僚の顔は何処にも見出すことができなかった。中には頬に怪我をしているものもあるし、洋服のズボンをひき裂いているものもあった。カルマタからおりたのは三人の子供をつれた肥った女で、私を見ると矢庭に叫び声をあげながらとびついてきた。
「良人も弟も」
かすれたような声で、しくしくと泣きだした。女はエスコルタの裏通りに店を持っている理髪店のおかみさんである。私はだまって子供たちを庇うようにして部屋の中へ入れてやった。
夜中の十二時頃になって、今までひっそりしていた門の前が俄かに騒々しくなってきた。
出てみると数台の乗合バスが停ったところで、バスの中からシャツ一枚で手荷物をかついだ邦人がぞろぞろとおりてきた。聞いてみると彼等は今朝逮捕されてビリビッドの刑務所に監禁されていたのだそうである。みんな昼食も夕食も喰べてはいなかった。水一杯もあたえられず、夜中になってから追い立てられるように此方へ移されてきたのである。もちろんこれからどうなるのかということは誰にもわからなかった。