후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,032자 · 216화면
五
一瞬間であったが、彼の眼は心の底にかくされた秘密を探りあてられた人のようにほとんど絶望的な不安のために顫えているようであった。
五
春が近づいていた。母から来る手紙は兄の身体が非常に衰えてこの頃は少量のモルヒネを嚥むようになったということを伝えていた。わたしの頭にうつる郷里の家の中の空気は何かしら薄暗くじめじめしているように見えた。一ト月ほど経ってまた母から手紙が来た。それは嫂の妊娠を報じたものであった。しかし、その頃からわたしの生活は調子はずれになりかかっていた。わたしは家のことも兄のことも落ちついて考えることができなかった。それはちょうど淡い靄を透して見る風景のように、ときどきぼやけたような輪廓を示してわたしの頭の中を閃いて通るに過ぎなかった。わたしの心は未来に向ってのみひらかれているのに郷里の人たちの生活は遠く過ぎ去った過去の中にあった。彼等を振返ることすらがわたしにとっては一つの苦痛になりかかっていたのだから。――
六月に入って、ある朝、わたしは書留の封書をうけとった。その厚ぼったい封書の表皮にわたしは久しぶりで兄の手蹟――この半年近く兄から直接に手紙を貰ったことは一度もないのだ――を見出すと、急にある予感に捉えられた。