후리가나로 읽는 일본 고전
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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,032자 · 216화면
しかし、そのことを私たちは今まで忘れていた。忘れていたというよりも、まるで気がつかないで過してきたのである。
「えらいな、子供たちに半分やっているんですか、――それだとしかし、お母さん達が腹が空いて仕方がなくなるでしょう」
相川が、もっともらしい口吻で、労るような視線を向けると、おかみさんは膝にもたれて眠っている三つくらいの女の子の髪の毛を撫であげながら、
「いいえ、わたしはどうでもかまいませんよ」
そういって忍びやかに眼を外らした。私はすぐに郷里の母を思いうかべた。母親もきっと私のことを考えているだろう。今さら、子供に対する母親のことが、――飯半分で空腹と戦っている母の愛のつよさが私の胸をうつのである。
テントの隅でほかの女たちが、何かひそひそと話しあっているので何が起ったのかときくと、一人の妊婦が夕方から急に産気づいたのだという。
「やっぱり、女はえらいな、まったく、それと比べるとおれたちは無責任だよ」
雨にうたれて、芝生の上を歩きながら相川がしみじみと呟いた。早速収容所長に話し、収容所長から衛兵の了解を得て、妊婦を二階の宿直室にうつした。みんなで手分けして、脱脂綿、ガーゼ、リゾール、蝋燭、熱湯等を揃え、産婆の心得のある女が二人夜っぴて附き添うことになった。