일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あきかぜとはは

尾崎士郎短篇集

尾崎 士郎

尾崎 士郎의 尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,032자 · 216화면

아오조라 문고

「じゃあ」

と、典獄の方を向いてうながすように立ちあがりました。わたくしが読経の用意をいたしますと、

「いやもう――」

と、両手でおさえるような恰好をして典獄とならんで別室へ立って行ったのです。そのつぎが大野博方というもう五十ちかいお医者さんでこのひとも何とかいう雅号を持っておられましたが、よく覚えて居りません。このひとが入ってきたときはもう夜がすっかりあけていました。

大野は、

「寒い、寒い」

と言いながら両手で自分の身体を抱えるようにしてふらふらと入ってきたのです。丈のひょろ長いせいもありますがしかし、その素振りがいかにも飄々として何も彼も自然にまかせきっているというかんじです。岸本柳亭が一味の首領であるという態度をくずすまいとして一生懸命に努力しているらしい様子のあるのにくらべると、この男は顔にかすかな苦悶のかげも残さず、ほんとうにあきらめぬいているという恰好に見えました。常日頃は喜怒哀楽をすぐに顔にだすひとでありましたがいよいよとなると気もちがぐっと静かになって、愚痴ひとつこぼさず、テーブルの上の蜜柑をとりあげ、こまかい手つきで皮をむきながら、