후리가나로 읽는 일본 고전
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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,032자 · 216화면
しかし、丈吉がどの程度まで関係があったかということにも疑えば疑える節が残っていたが、多吉はもう昨日の昂奮は洗い去ったあとのようなケロリとした顔をして、
「どうしたもんですかね、――」
と、げっそりした声で言ってから忌まいましそうに舌舐めずりをして、
「まったくどっちを向いたって人のふんどしで相撲をとろうとしているようなやつ等ばかりですよ、兄貴の友人の岩越弁護士だって昨日は朝から晩までペコペコしながら兄貴の行く先々へついて廻っていたようなやつが今日になるとどうでしょう、わるいことをまるで丈ちゃんのせいのようにして喰ってかかるような始末ですよ、その岩越が昨日、丈ちゃんといっしょに「山王ホテル」の本部へゆく自動車の中で、君、大丈夫だろうかな、というんで、もちろん大丈夫さといって答えると、いや、僕だって大臣ぐらいにはなれるだろうなと耳うちしたというんで、あとになって大笑いしちゃったんだが」
多吉はもう雪の日の朝、政治面へ打って出ようという決心をもらしたことなぞは忘れてしまったような調子で皮肉そうなうす笑いを洩らした。すると、常識の限界から飛び出すまいとつとめている人間がやっぱり心の底ではだしぬけにあらわれる偶然を待ち望んでいるということが伍一の心にますます不確かな民衆の動きをかんじさせるのであった。