후리가나로 읽는 일본 고전
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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,032자 · 216화면
その朝の新聞は事件の報道でうずまっていたが、青年の将校はNという大尉がひとり自決しただけであとは憲兵隊の手にひきわたされたという記事のすぐあとに民間の関係者で前の日の夕方までにつかまった人たちの名前が書きつらねてあった。伍一は急に丈吉を追窮する官憲の手がだんだんちかづいてくることをかんじ、その日の朝、登代が丈吉からあずかったという手帳をすぐ焼きすてるように登代に命じてからすぐ二階へあがったが、事件がようやく鎮まったあとであたらしい噂に湧きかえる街々のざわめきが頭ににじむようにひろがってきて机の前に坐ってみても仕事は少しも手につかなかった。階下では登代が女中に内密で丈吉の手帳を焼きすてる場所に困り狼狽した揚句、まだ火の燃え残っている煉炭風呂のかまどの中へ投げ入れたのでぶすぶすと音を立てて夕方まできな臭い紙のにおいを発散させながらくすぶっていた。多吉の家の前へ憲兵が一人と私服の刑事が二人張番をするようになったのはその日の午後だったが、家のものは近所へ用達しにゆくほかには禁足同様に外出を禁じられ訪問者は片っぱしから厳重に調べられた。四、五日経つと憲兵はいなくなって私服の刑事だけになったが、多吉は何時の間にか刑事たちとも親しくなり、彼もいっしょになって丈吉の行方をさがしているのであった。